ハイライト
一定の申請のバックログ案件削減のため、米国移民局(USCIS)は、プレミアム・プロセス(特急審査)の対象手続きを拡大する最終規則を公表しました。
プレミアム・プロセスが拡大される手続きには、外国人労働者のための永住権請願申請(Form I-140)、非移民ステータスの変更または延長申請(Form I-539 )及び就労許可申請(Form I-765) の手続きが含まれます。
申請内容により、申請手数料と審査期間が異なります。
COVID-19パンデミックにより、米国移民局 (USCIS) の就労許可プロセスには大幅な遅延が生じました。就労許可申請(Form I-765)は、パンデミック前であれば、審査期間が申請から3か月~6か月であったのに対し、現在は、8か月~12か月を要しています。
バックログを削減し、一定の就労資格保有者を救済すべく、移民局は、2022年3月29日、プレミアム・プロセスの対象となるカテゴリーを拡大する最終規則を公表しました。この規則は、2022年5月31日以降、順次、段階的に実施されることが予定されています。
手数料2,500ドル(現在)を支払うことで、移民局は、15暦日以内の回答を保証しています。プレミアム・プロセスは、非移民労働者のための請願申請(Form I-129)や外国人労働者のための永住権請願申請(Form I-140)等で利用可能な迅速な審査サービスです。
最終規則は、プレミアム・プロセスの対象を非移民ステータスの変更または延長申請(Form I-539)、就労許可申請(Form I-765)にまで拡大するとともに、外国人労働者のための永住権請願申請(Form I-140)においてプレミアム・プロセスを利用可能なカテゴリーを追加しています。移民局は2022年の会計年度内にForm I-539、Form I-765 及びForm I-140について、プレミアム・プロセスを段階的に利用可能にしていく予定です。
申請手数料と審査期間
最終規則は、プレミアム・プロセスの手数料と審査期間を以下のとおり設定しています。
- 多国籍企業のエグゼクティブ又はマネージャーとしてEB-1カテゴリー、又は、高学歴又は国益免除(NIW)を求める卓越した能力を有する者としてEB-2カテゴリーを求めるForm I-140 費用:2,500ドル、審査期間:45営業日
- F-1、 F-2、 J-1、 J-2、M-1及びM-2 の非移民ビザステータスへの変更、E-1、E-2、 E-3、 H-4、L-2、O-3、 P-4及びR-2の非移民ビザステータスへの変更又は同ステータスにおける在留期間の更新を求めるForm I-539 費用:1,750ドル、審査期間:30営業日
- 就労許可を求めるForm I-765 費用:1,500ドル、審査期間:30営業日
なお、最終規則は、プレミアム・プロセスの対象の拡大によって、通常の手続きの処理期間に悪影響が及ばないようにすることも併せて確認しています。これは、プレミアム・プロセスがデフォルトとしての選択肢になり、移民局が通常の手続きを犠牲にして、全てのリソースをプレミアム・プロセスに注ぐことがないようにするためです。
移民局のプレミアム・プロセス拡大に関する公表では、就労許可などの一般的な申請に関し、目標「サイクルタイム」も新たに設定されました。これらのタイムラインは、将来の目標であり、現在の審査期間を反映したものではありません。
何をすべきか?
移民局が、この段階的実施を迅速に公表することが望まれます。この間、使用者及び個人は、通常審査で申請中の案件を注視するとともに、プレミアム・プロセスが可能になった段階で、同サービスを即時に利用できるよう準備をしておく必要があります。
詳しくは英語版をご覧ください。
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