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2017年1月27日、トランプ新大統領より「外国人テロリストの入国から米国を守る」大統領令が発令された。本大統領令により、暫定的にイラン、イラク、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメンの7カ国からの入国は90日間停止される。また、難民受入プログラムは120日間停止され、シリア難民の受入プログラムは無期限で停止された。

状況は流動的であるが、外国人の入国やビザの審査には遅れが予想される。上記の国の国籍を持つ、又は上記の国で生まれた従業員や請負人は、本大統領令により以下のような影響を受ける。

  • 米国市民(U.S. Citizens本大統領令は米国民には影響を及ぼさない。しかし、入国時に二次審査を受ける可能性もある。これは新しいことでも大統領令によるものでもなく、入国地のCBP(税関・国境警備局)に裁量が委ねられている。しかし、米国市民は弁護士を依頼し、米国に入国する権利を有している。上記の国と米国の両方のパスポートを持つ重国籍者は、米国入国時には米国のパスポートを使用すべきである。
  • 米国永住権(グリーンカード)保有者米国永住権を持つ上記の国出身の外国人は、直ちには入国を禁じられない。永住権保有者は、非移民の入国者(B-1、H-1B、L-1、O-1やE等のビザ保有者)や永住権を取得するために入国する外国人とは立場が異なる。米国の安全と福祉を脅かすことを示すようなものがない限り、二次審査に時間を要するとしても、米国への入国は認められるはずである。CBPは永住権保有者の審査を行い、個別に判断をする権限を有している。しかし、いかなる永住権保有者に対してであれ、グリーンカード及び永住権保有者の地位の放棄を求めることはできない。入国地又は領事館における永住権の放棄は、いかなる場合も自主的なものでなければならない。CBP係官に永住権の放棄を強く求められた場合、移民審判官に対して出廷通知の発付及び出頭を求めることができる。
  • 重国籍者上記の国と米国以外の国籍を持つ重国籍者(例えば、イランとカナダの重国籍者等)は、二次審査の対象となる。
  • H-1B、TN、L、E、O等のビザの保有者上記の国の国籍を有する外国人は米国への渡航及び入国が禁じられる。シリア人は本大統領令により更なる影響を受ける。すなわち、本大統領令はテロリスト候補を割り出す適切なシステムが導入されるまで、シリア人へのビザ発行を停止するよう国務省に指示している。該当する外国人は、入国審査の際にビザを取り消され、入国申請の取り下げを認められるか国外退去命令を出されているとのことである。

本大統領令により、ビザ面接免除の措置も無期限で停止された。(これは90日間ビザ無し入国を認めるESTAプログラムとは異なる。)特定のビザ申請者については領事館での面接を免除されていなかったが、これが停止される。従って、米国領事館における諸申請の手続きには相当な遅れが見込まれる。

状況は流動的で急激に変動しているため判断は難しいが、現状では、本大統領令の影響を受ける外国人は米国外への出国はとりやめ、又は米国への渡航を見合わせることが賢明だろう。また、上記の国出身の永住権保有外国人は、入国の際に追加審査の対象となることを予想しておかなければならない。日本人は本大統領令の対象ではない。しかし、米国領事館やCBPも急な変革に対応しきれておらず、ビザ関連の手続きや米国入国については予め遅れを見込んでおくべきだろう。

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