米国、新たなH-1B選考プロセスにおいて高賃金を優先へ

- 米国国土安全保障省(DHS)は、上限枠対象(cap-subject)のH-1B請願に対する加重選考プロセスが、2026年2月27日に発効すると発表しました。
- 本プロセスは、過去10年間におけるH-1Bビザ抽選制度の3度目の大きな変更となります。
- 加重選考により、米国市民権・移民局(USCIS)は、より高度な技能を有し、かつ高賃金のH-1B登録者を優先することになり、初級レベルの職位について雇用主がH-1Bビザを取得する難易度は一層高まります。
年末を迎えるにあたり、DHSは、2027会計年度のH-1B登録シーズンに先立ち、上限枠対象のH-1B請願に対する加重選考プロセスを2026年2月27日付で導入する予定であることを発表しました。
米国の雇用主は、専門職(specialty occupation)に該当する職位を充足するためにH-1Bビザカテゴリーを利用しています。厳格な数的制限で知られるH-1Bビザでは、専門職として雇用される者向けに年間65,000件が割り当てられ、これに加えて、米国の修士号取得者が専門職に就く場合には、さらに20,000件が確保されています。
米国内における未充足の専門職ポジション数と、利用可能な85,000件のH-1Bビザとの間に大きな乖離が存在することから、H-1Bビザの取得は年々困難になっています。さらに、抽選制度自体も過去10年間で複数回の重要な変更を経ており、制度運用は一層複雑化しています。12月23日の発表によれば、今回の最新の変更により、新たな加重選考プロセスは、米国労働者の賃金、労働条件および雇用機会を保護する観点から、より高度な技能および高賃金の候補者を優先するものとされています。
新たなプロセスでは、雇用主は、当該専門職ポジションについて、賃金水準、職種区分(SOCコード)、就労場所など、追加的な情報を提供することが求められます。登録案件は、通常枠および米国修士号等枠の双方において、以下のとおり加重されます。
|
賃金水準 |
抽選への登録回数 |
|
レベル I |
1回 |
|
レベル II |
2回 |
|
レベル III |
3回 |
|
レベル IV |
4回 |
最終的な選考は、無作為のコンピュータ抽選によって行われ、同一の登録案件が複数回選ばれることはありません。加重選考プロセスの具体的な手法に関する追加情報については、本規則のパブリックコメント期間中である9月24日に発出されたBarnes & Thornburgのアラートをご参照ください。
加重選考は、雇用主にとって長期的な影響を及ぼし、初級レベルの従業員に対して就労許可を確保することは一層困難になります。このため、本改正は外国人留学生のキャリア機会にも影響を与えるとともに、重要な人材ニーズを抱える雇用主に対し、賃金引上げを迫る要因となることが見込まれます。
数々の変更や課題があるものの、H-1Bビザは依然として外国人労働者を一時的に雇用するための重要な制度です。これまで以上に、抽選で選ばれなかった場合を想定した代替策の検討を含め、周到かつ戦略的な対応が求められます。移民の専門家と連携して行う綿密な候補者評価により、H-1B制度の最新動向を踏まえたリスクや選定可能性を明確にすることが可能となります。
2027会計年度のH-1B選考プロセスに備え、Barnes & Thornburgは、雇用主に対し、移民弁護士と協議の上、H-1B登録対象者を戦略的に特定することを強く推奨します。
本ニュースレターは、法律の最新情報、動向をご案内するものであり、いかなる場合も法務サービス、法務アドバイスの意味を持つものではありません。本ニュースレターは、一般的な案内目的でのみ配布されるものですので、個々の問題については弁護士までご相談下さい。
©2026 Barnes & Thornburg LLP. All Rights Reserved. 書面による許可なく複製することを禁止します。