速報12.2.25

H-1B年末ラッシュ:H-1B 取締り強化への加速

ビザ

  • 米国労働省(DOL)の新たな「Project Firewall(プロジェクト・ファイアウォール)」は、H-1B 取締りを大幅に強化し、監査の拡大、省庁間でのデータ共有、より厳しい制裁(資格停止〔debarment〕を含む)、客先常駐、賃金水準の不一致、職務内容の不整合といったパターンへの監視強化を可能にする。
  • 企業は年末に向け、ドキュメンテーション、正確な申請書類の提出、第三者配置のモニタリングに焦点が当てられることで、より厳しいコンプライアンス対応を迫られる状況にあり、DOL は期待される遵守水準を示す「H-1B コンプライアンス支援ツールキット」を公表している。
  • 今後は、事前対応と組織的なコンプライアンス態勢の構築が不可欠となり、雇用主は定期的な監査、内部プロセスの強化、ならびに 2027 会計年度の H-1B 登録開始前に移民弁護士との緊密な連携が求められる。

連休を目前に控える中、DOL の新たな取締り計画である Project Firewall により、H-1B に関するコンプライアンスは一切予断を許さない状況だ。

H-1B 非移民就労ビザは、米国の雇用主が学士号以上を要する専門職において外国人労働者を雇用する際に最も一般的に利用されるビザである。

しかし、このビザカテゴリーにはいくつかの課題が存在する。現在の勤務先取締り計画の下、H-1B ビザカテゴリーは依然として厳しい監視対象となっている。また、H-1B 抽選制度における構造的な問題が重なり、大量の申請、詐欺リスクの増加、同一 H-1B 受益者についての重複提出などにより、ビザ取得は一層困難になっている。ここに新たなコンプライアンス施策が加わることで、雇用主はさらなる課題に直面することになる。

Project Firewall:労働省へ贈られる新たな取締り手段

DOL は 2025 年 9 月に Project Firewall を発表し、同プログラムは雇用主が H-1B ビザ制度上の義務を遵守しているかを調査するための取締り体制を強化すると説明した。

Project Firewall は、DOL に対し次のような新たな取締り手段を提供するものである。

  • 労働省長官が雇用主監査を開始できる権限を付与する。
  • 労働省、国土安全保障省、国務省の間でデータ共有を拡大する。
  • 民事制裁に加え、数年単位の資格停止(debarment)による制裁を可能にする。
  • 身分撤回のため米国移民局(USCIS)への通報を容易にする。
  • 未払賃金の支払命令および公的開示を可能にする。

Project Firewall の開始以降、DOL は、客先常駐が多い傾向、賃金水準の不一致、H-1B 従業員比率が高いといったパターンに基づき監査を開始してきた。また、職務タイトルの不整合や頻繁な修正申請も追加的な調査を招いている。

こうした取締り動向に対する指針として、DOL は 9 月に「H-1B コンプライアンス支援ツールキット」を公表した。

H-1Bの年末ラッシュ:要件不遵守による「要注意リスト」入りの回避に向けて

こうしたコンプライアンス取締りの強化は、雇用主にとって新たな「年末ラッシュ」を生み出している。すなわち、非移民ビザプログラム、とりわけ H-1B プログラムがコンプライアンス要件を満たしているかを確保するための対応である。

こうした取締り強化と政府機関間の連携強化を受け、Barnes & Thornburg は雇用主に対し、以下の5点の実施を推奨する。

  1. 弁護士とともに包括的な H-1B コンプライアンスプログラムのレビューを開始すること
  2. 少なくとも年1回、弁護士と連携して内部 H-1B 監査を実施すること
  3. 職務内容の変更、就労場所の変更、雇用条件の重大な変更などの記録を徹底すること
  4. 人事部門および関連部門の担当者、さらに第三者配置に関与するベンダーやクライアントに対し、定期的にコンプライアンス指針を提供すること
  5. 第三者配置を継続的にモニタリングすること

状況が厳しいとはいえ、H-1B ビザカテゴリーは外国人雇用を一時的に行うための重要な手段であり続ける。かつてないほど複雑化した現在の状況では、承認通知の取得後も長期間にわたりコンプライアンスを維持するため、周到で戦略的な対応が必須である。

このため、雇用主および H-1B 登録を予定する者には、2027会計年度の H-1B 登録シーズンに向け、事前に移民弁護士へ相談し、確実なコンプライアンス体制を構築することを強く推奨する。

H-1B ビザカテゴリー全般やコンプライアンス実務に関する詳細については、担当の Barnes & Thornburg 移民弁護士にお問い合わせいただきたい。

詳しくは英語版をご参照ください。

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