速報9.8.25
SECが国境を越えた詐欺対策のためのタスクフォース結成を発表
新たな取締りのイニシアチブは、国境を超えるリスク、ゲートキーパーの責任、投資家の保護が焦点

- SECは国際取引における不正リスクに対処するため、タスクフォース(クロスボーダー・タスクフォース、Cross-Border Task Force)を設置する
- 監査人や証券引受会社などのゲートキーパーは、厳格な監視と責任に直面する
- 企業は新たな開示義務と規則変更に備えるべき
2025年9月5日、米国証券取引委員会(SEC)は、その執行部内に、「クロスボーダー・タスクフォース」の発足を発表しました。この新たなタスクフォースは、米国投資家やグローバル市場で活動する上場企業にとって昨今拡大しているリスク(外国企業とその仲介業者を巻き込んだスキームの詐欺)の割り出しと対策をSECの取り組みとして強化することを目的としています。
タスクフォースの概要
- 外国企業を注視:クロスボーダー・タスクフォースは、米国投資家を対象とした「ポンプ・アンド・ダンプ(買煽り、売り抜け)」や「ランプ・アンド・ダンプ(つり上げた後で売り逃げ)」などの市場操作スキームを含め、米国連邦証券法違反の可能性のある外国企業の行為を優先的に調査します。
- ゲートキーパーの監視強化:監査法人や引受会社など、外国企業の米国資本市場へのアクセスを仲介するゲートキーパーの行為も厳しく監視します。こうした仲介業者を利用する企業に対し、強固なデューデリジェンスとコンプライアンス手順を設けるべきであるとしています。
- リスクの高い地域の監視強化:政府による統制等の要因により、特有のリスクが存在する地域で事業を展開する企業を特に注視します。SECの最近のプレスリリースは、中国を本拠地とする企業に関連する懸念事項と、それらがもたらす投資家保護上の課題を具体的に述べています。
- 部門間連携と今後の規則制定:SECのポール・S・アトキンス委員長は、開示ガイダンスの更新や規則変更の可能性を含め、投資家の保護を強化するための追加措置は、SEC内の他部門、他オフィス等においても検討中であるとしています。企業は、関連する今後のSECガイダンスに注意する必要があります。
上場企業および市場参加者への影響
- コンプライアンス監視の強化:国際的に事業を展開する企業(特に海外から米国資本市場にアクセスする企業)は、強化された規制遵守の監視に対応するため、コンプライアンス管理体制、開示内容、リスク管理プログラム等の再確認が必要となります。
- ゲートキーパーの責任:監査法人、引受会社等の外国企業向け専門サービス提供者には、本タスクフォースの対象となるリスクが高まっています。これらの仲介機関は、業務遂行および審査プロセスがSECの要件を満たし、強化されるリスク要因への対応が必要となります。
- 追加規制ガイダンスの予測:SECによるグローバル市場における投資家の信頼性強化を意識し、企業は新たな開示義務の追加や規則変更の可能性を認識すべきです。
- 執行動向の注視:米国の規制を回避するために国境を悪用しようとする企業、仲介業者、ゲートキーパー、トレーダーなどの不正行為に対し、SECは責任追及することを強調しています。
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