ハイライト
米国通商代表部(USTR)は、関税率の引き上げと新たな除外手続きの対象となる中国産製品に対する301条関税修正案に関する意見募集を発表。
関係者は2024年6月28日までに意見書を提出可能。
USTRは2024年6月14日以降、特定の301条適用除外製品を延長・終了する決定を発表。
2018年以来、多くの米国企業が中国からの特定の製品に課された大幅な輸入関税(301条関税)の影響を受けてきました。2024年5月14日、ジョー・バイデン大統領は米国通商代表部(USTR)に対し、関税を現行水準に維持し、戦略的分野の中国からの特定の商品に対して301条関税を追加または引き上げるよう指示しました。この指示は、USTRが中国301条関税を4年間にわたり見直してきた結果になります。
また、USTRは、期限切れとなる301条適用除外品目をすべて2024年6月14日まで一時的に延長する旨を発表しました。しかし、6月14日以降は100以上の除外項目が期限切れとなり、残りの除外項目は2025年5月31日まで延長されることになります。
301条関税修正と機械類の除外手続きの増加
大統領の指示により、USTRは戦略部門の特定の製品について、2024年、2025年、2026年に発効する以下の関税引き上げ修正を提案しています。
製品 |
現行301条税率 |
関税率(案) |
発行日(案) |
電池部品(非リチウムイオン電池) |
7.5% |
25% |
2024年8月1日 |
リチウムイオン電気自動車用電池 |
7.5% |
25% |
2024年8月1日 |
その他重要鉱物 |
0% |
25% |
2024年8月1日 |
電気自動車 |
25% |
100% |
2024年8月1日 |
船舶対岸クレーン |
0% |
50% |
2024年8月1日 |
ソーラー電池(モジュールに組み立てられているかを問わない) |
25% |
50% |
2024年8月1日 |
鉄鋼およびアルミニウム製品 |
0% to 7.5% |
25% |
2024年8月1日 |
注射器および注射針 |
0% |
50% |
2024年8月1日 |
フェイスマスク |
7.5% |
25% |
2024年8月1日 |
半導体 |
25% |
50% |
2025年1月1日 |
リチウムイオン非電気自動車用電池 |
7.5% |
25% |
2026年1月1日 |
天然黒鉛 |
0% |
25% |
2026年1月1日 |
永久磁石 |
0% |
25% |
2026年1月1日 |
医療用手袋 |
7.5% |
25% |
2026年1月1日 |
さらにUSTRは、国内製造に使用される特定の機械と特定の太陽電池製造装置を関税から除外することを検討するプロセスを提案しています。
USTRは2024年6月28日までに、関税引き上げ修正案と除外プロセスに関する意見書を募集しています。
関税引き上げおよび関税除外が予定されている中国製品の米国輸入業者および購入者、ならびに国内生産者やその他の関係者は、6月28日の期限までに意見書の提出を検討することが望ましいといえます。さらに、米国の輸入業者や購入者は、関税引き上げ案が自社のコストやサプライチェーンの取り決めに与える影響を考慮した方がよいでしょう。
現行の301条除外品目の延長と期限切れ
2022年3月、USTRは以前に失効した352件の除外品目を復活させ、2023年5月には77件のCOVID-19関連の除外品目を延長しました。USTRはこれら429件の除外品目を2024年5月31日まで延長するかどうかについて意見を求めました。
2024年5月24日、USTRは100以上の除外品目が期限切れとなり、残りの除外品目は2025年5月31日まで延長される旨を決定しました。期限切れとなる除外品目には、特定の減圧弁や自転車などが含まれます。移行期間を確保するため、USTRは現在期限切れとなっているすべての除外品目について、2024年6月14日まで延長します。
関係者は、一時的な延長が終了する2024年6月14日までに、延長された除外品目と期限切れの除外品目を確認されることをお勧めします。
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